#072 事実とフィクションの混在
–【今回の目次】——————————————–
・翻訳者のひとりごと 事実とフィクションの混在
・Yoko のヒトリゴト 今年も「京都望年会&合宿」
————————————————————
こんにちはYokoです!
関東地方はすっかり秋がやってきました。
とはいえ、日中の室内はけっこう暑くて長袖のTシャツ1枚です。
湿度がないと同じ26度でも体感気温がけっこう違いますね!
▼ 翻訳者のひとりごと
読書の秋、勉学の秋、食欲の秋、運動の秋・・・つまり秋は
何をするにも活動しやすいってことだと思うのですが、普段PCに
かじりついて翻訳をしている我々も、なんだか外へ行きたくなっ
たり、紙の本が読みたくなったりします。
先日、「ダヴィンチ・コード」のシリーズ最新作を読みました。
http://ohisamaworld.livedoor.biz/archives/51563273.html
和訳は来年出るみたいですが、こういう、事実とフィクションが
入り交じった本というのは、翻訳が大変だと思います。
たとえば科学的な内容にしても、実際にすでに発表されている
部分とSF的な部分が微妙に混在していると、いくら調べても
見つからないからフィクションかと思いきや、本当にまだネット
には流出していない事実だったり、ネット上で記述は見つかる
けどまだ日本では発表されてなかったり・・調べ損も多発するん
じゃないでしょうかね。
「天使と悪魔」はCIRNとローマ、「ダヴィンチ・コード」は
パリ~ロンドンでしたが、今回の The Lost Symbol は、いつも
物語が始まるハーバード大学のプールとラングドン教授の部屋を
除いては、完全にワシントンD.C.ロケ・・・
おっとロケじゃなく舞台でした(笑)。読みながら、頭の中で
映画化しちゃってるのですね~。
D.C.のストリート名と建物はすべて実在なので、Google Mapで
一緒に移動しながら楽しめます。こういうときストリートビュー
が大活躍です。
でも、主人公の女性の科学的研究については、いったいどこまで
が本当で、どれが想像上の結果なのか境界線が微妙・・・。
New Age 好きの私としては信じたいです^^
「天使と悪魔」でも、反物質(Anti-matter)についての研究が
現実よりはるかに進んでいる設定だったのですけど、他のことが
事実に即しているとつい信じたくなってしまいますよね!
当然ながら、登場人物はすべて架空なんですよ@.@
普段ビジネス/技術翻訳をしていると、どんなにネットで見つか
らなくても「事実」であることには違いないので、関係筋から
たどって人づてに調べるか、諦めて字面で訳して訳注するかで
片付きます。
小説の場合はそうはいかないですからね・・・。
著者か編集者に直接質問できれば、もちろんベスト!滅多に
ないですが、Dan Brownさんなら喜んで答えてくれそう(笑)。
実は、2年がかりで取り組んでいた日本の歴史に関する論文の英訳
の第1次訳が先月完了して、現在は用語統一、索引や注釈の検討
など、仕上の第1段階に入っています。
論文なのでフィクションはない、と思いきや、扱うのが平安以前の
ため、参考文献がほとんどフィクションなので、実は上記にお話した、
事実とフィクションの混在
に頭を痛めています。もちろん翻訳ですから、論文に書いてある通り
訳せば良いのですが、論文に現代語訳で引用されている古典文学の
前後を読まないと英語の表現が定まらないようなとき、古典の原典と
別の現代語訳や英訳を読むと、解釈がそれぞれ違ったりするんです。
下手すると、原典の解説と現代語訳と英訳で解釈がそれぞれ異なる
ことすらあります(泣)。
そういうときは著者と相談して解釈を決めますが、論文は引用が
多いため、結果的には、翻訳していた2年間で原典と現代語訳と
英訳を相当読みました。
著者も調べ直した結果、著者の解釈が物語の前後と矛盾するよう
だから原稿修正 -> 訳し直し、という箇所もありました。
ちなみに、今昔物語は原典がネットにあるんです。入力された方
ご苦労さまでした!しかも、今昔物語って中学や高校の古典では
ほとんどやりませんでしたけど、短編集で非常におもしろいんです。
http://hysmt.hp.infoseek.co.jp/konjyaku/konjyaku.html
あと、面白かったのは蜻蛉日記の英語訳。かの有名な日本文学者
Edward Seidensticker さんの訳です。日本人なのに、原典より
英語訳の方が読みやすいですので、洋書初心者で古典に興味のある
方にはお薦め!
源氏も完訳版を英語で読みました。こちらは、漫画の「あさきゆめ
みし」が一番わかりやすいですから、「あさきゆめみし」片手に
英語版を読んでみるのも良いかもしれません。少なくとも人間関係
の図は絶対手元に必要です。
というわけで、これから細か~い部分の再調査と翻訳のまとめに
取りかかります。
本になるのは一体いつのことやら・・・。
▼Yokoのヒトリゴト
今年もやります「京都望年会&合宿」!
合宿とは名ばかりで、宴会と観光なのですが、今年は偶然、大阪で
英訳のカンファレンスがあるとのことで、おひさまハウス翻訳チーム
の方も関わっているので、希望者はそちらへ参加もできます。
日程をお知らせしておきますので、ご希望の方は「望年会詳細希望」
と明記の上、メールにてお問い合せください。
11/27(金)夜 望年会 京都・中京区のお店です
11/28(土)終日 英訳カンファレンス(各自申込)
詳細はこちら http://jat-project.org/osaka/
または京都or奈良観光
11/29(日)奈良観光
ほとんど遊んでいるとはいえ、翻訳者集団ですから、話題はついつい
仕事の話(と、子どもの進学や学校の話)。実際に仕事をしている方が
ほとんどなので、first hand の話を聞きたい方はぜひいらしてください。
最後までお付き合い頂きありがとうございますm..m
Yoko



